職場におけるハラスメントの防止に関する規定

(目的)
第1条 本規定は、就業規則第 30 条に基づき、職場におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント及び妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(以下「職場におけるハラスメント」という)を防止するために従業員が遵守するべき事項を定める。
なお、この規定にいう従業員とは、正社員だけではなく、契約社員等の非正規社員及び派遣労働者も含まれるものとする。


(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント及び妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの定義)
第2条 パワーハラスメントとは、優越的な関係を背景とした言動であって、業務上の必要かつ相当な範囲を超えたものにより、就業環境を害することをいう。なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。

2 セクシュアルハラスメントとは、職場における性的な言動に対する他の従業員の対応等により当該従業員の労働条件に関して不利益を与えること又は性的な言動により他の従業員の就業環境を害することをいう。また、相手の性的指向又は性自認の状況にかかわらないほか、異性に対する言動だけでなく、同性に対する言動も該当する。

3 前項の他の従業員とは直接的に性的な言動の相手方となった被害者に限らず、性的な言動により就業環境を害されたすべての従業員を含むものとする。

4 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントとは、職場において、上司や同僚が、従業員の妊娠・出産及び育児等に関する制度又は措置の利用に関する言動により従業員の就業環境を害すること並びに妊娠・出産等に関する言動により女性従業員の就業環境を害することをいう。なお、業務分担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によるものについては、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントには該当しない。

5 第1項、第2項及び第4項の職場とは、勤務部店のみならず、従業員が業務を遂行するすべての場所をいい、また、就業時間内に限らず、実質的に職場の延長とみなされる就業時間外の時間を含むものとする。


(禁止行為)
第3条 すべての従業員は、他の従業員を業務遂行上の対等なパートナーとして認め、職場における健全な秩序並びに協力関係を保持する義務を負うとともに、その言動に注意を払い、職場内において次の第2項から第5項に掲げる行為をしてはならない。
また、自社の従業員以外の者に対しても、これに類する行為を行ってはならない。

2 パワーハラスメント(第2条第1項の要件を満たした以下のような行為)
① 殴打、足蹴りするなどの身体的攻撃
② 人格を否定するような言動をするなどの精神的な攻撃
③ 自身の意に沿わない従業員に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離するなどの人間関係からの切り離し
④ 長期間にわたり、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下で、勤務に直接関係ない作業を命じるなどの過大な要求
⑤ 管理職である部下を退職させるため誰でも遂行可能な業務を行わせるなどの過小な要求
⑥ 他の従業員の性的指向・性自認や病歴などの機微な個人情報について本人の了解を得ずに他の従業員に暴露するなどの個の侵害

3 セクシュアルハラスメント(第2条第2項の要件を満たした以下のような行為)
① 性的及び身体上の事柄に関する不必要な質問・発言
② わいせつ図画の閲覧、配付、掲示
③ うわさの流布
④ 不必要な身体への接触
⑤ 性的な言動により、他の従業員の就業意欲を低下せしめ、能力の発揮を阻害する行為
⑥ 交際・性的関係の強要
⑦ 性的な言動への抗議又は拒否等を行った従業員に対して、解雇、不当な人事考課、配置転換等の不利益を与える行為
⑧ その他、相手方及び他の従業員に不快感を与える性的な言動

4 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(第2条第4項の要件を満たした以下のような行為)
① 部下の妊娠・出産、育児・介護に関する制度や措置の利用等に関し、解雇その他不利益な取扱いを示唆する言動
② 部下又は同僚の妊娠・出産、育児・介護に関する制度や措置の利用を阻害する言動
③ 部下又は同僚が妊娠・出産、育児・介護に関する制度や措置を利用したことによる嫌がらせ等
④ 部下が妊娠・出産等したことにより、解雇その他の不利益な取扱いを示唆する言動
⑤ 部下又は同僚が妊娠・出産等したことに対する嫌がらせ等

5 部下である従業員が職場におけるハラスメントを受けている事実を認めながら、これを黙認する上司の行為


(懲戒)
第4条 次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める懲戒処分を行う。
① 第3条第2項(①を除く。) 、第3条第3項①から⑤及⑧及び第4項の行為を行った場合
1.訓戒・・・・始末書を取り将来を戒める
2.減給・・・・1回の事案に対する額が平均賃金の1日分の半額を越えることはなく、
また、総額が1ケ月の賃金総額の10分の1の範囲で行う
3.出勤停止・・7日以内出勤を停止しその間の賃金は支払わない
就業規則第 44 条第1項から第 3 項までに定める訓戒、減給、出勤停止に準ずる
4.降格・・・・役職または職能資格を低下させる
② 前号の行為が再度に及んだ場合、その情状が悪質と認められる場合、第2項①又は第3条第3項⑥、⑦の行為を行った場合
1.懲戒解雇・・予告期間を設けることなく即時解雇する
就業規則第 44 条第 4 項に定める懲戒解雇に準ずる


(相談及び苦情への対応)
第5条 職場におけるハラスメントに関する相談及び苦情処理の相談窓口は管理本部とする。相談窓口責任者は、担当者に対する対応マニュアルの作成及び対応に必要な研修を行うものとする。

2 職場におけるハラスメントの被害者に限らず、すべての従業員は、パワーハラスメントや性的な言動、妊娠・出産・育児休業等に関する就業環境を害する言動に関する相談及び苦情を相談窓口の担当者に申し出ることができる。

3 対応マニュアルに沿い、相談窓口責任者は相談者のプライバシーに配慮した上で、被害者、行為者から事実関係を聴取する。また、必要に応じて当事者の上司、その他の従業員から事情を聴くことができる。

4 前項の聴取を求められた従業員は、正当な理由なくこれを拒むことはできない。

5 対応マニュアルに沿い、問題解決のための措置として、第4条による懲戒の他、行為者の異動等被害者の労働条件及び就業環境を改善するために必要な措置を講じる。

6 相談及び苦情への対応に当たっては、関係者のプライバシーは保護されるとともに、相談をしたこと又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いは行わない。


(再発防止の義務)
第6条 相談窓口責任者は、職場におけるハラスメント事案が生じた時は、周知の再徹底及び研修の実施、事案発生の原因の分析と再発防止等、会社全体の業務体制の整備等、適切な再発防止策を講じなければならない。


(業務体制の整備)
第7条 所属長は妊娠・出産、育児や介護を行う従業員が安心して制度を利用し、仕事との両立ができるようにするため業務配分の見直し等を行う。相談窓口責任者は業務体制の整備について、所属長の相談に対応する。

2 従業員は会社が整備する妊娠・出産、育児や介護に関する制度を就業規則等により確認する。制度や措置を利用する場合には、早めに上司や管理本部に相談し、制度の円滑な利用のために業務に関わる従業員との円滑なコミュニケーションを図るよう努める。


(その他)
第8条 性別役割分担意識に基づく言動は、セクシュアルハラスメントの発生の原因や要因になり得ること、また、妊娠・出産・育児休業等に関する否定的な言動は、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの発生の原因や背景となり得ることから、このような言動を行わないよう注意すること。


附則 本規定は令和 4 年 3 月 1 日より実施する。